前回の記事では、一日のタイムスケジュールを書き出したことで、「自分の時間」がほとんどないことに気づいた話を書いた。
そのとき私が欲しかったのは、お金でも肩書きでもなく、「自分のために使える時間」だった。
では、その時間が手に入ったら、私は何をしたいのだろう。
最近、その答えが少しずつ見えてきた。
私は「何を持ちたいか」より、「どう過ごしたいか」を考えていた
理想の暮らしを想像するとき、多くの人は家の広さや設備を思い浮かべるのかもしれない。
広いリビング。
アイランドキッチン。
大きなウォークインクローゼット。
もちろん、どれも素敵だと思う。
でも、不思議なことに、私が真っ先に思い浮かべるのは違う景色だった。
昼間の明るい光が差し込むお風呂。
窓の向こうには山でもいい。
庭でもいい。
風に揺れる木々や、流れていく雲を眺めながら、ゆっくりお湯に浸かる。
そんな時間に、ずっと憧れている。
考えてみると、私は「家が欲しい」のではなく、「そんな時間が流れる暮らし」が欲しかったのだ。
昼間のお風呂は、私にとって特別な時間
私は昼間にお風呂へ入るのが好きだ。
休日にたまに入る昼風呂は、それだけで少し贅沢な気持ちになる。
夜のお風呂は、「今日も一日終わった」という時間だけれど、昼間のお風呂は少し違う。
まだ一日は続いている。
窓から差し込む光を感じながらお湯に浸かると、時間がゆっくり流れていく。
「急がなくていい。」
そんな空気に包まれる。
温泉旅館で味わうような非日常も好きだけれど、本当に欲しいのは、日常の中でそんな時間を持てることなのだと思う。
理想は、いきなり全部じゃなくていい
いつか家を建てることがあるなら、お風呂には大きな窓を付けたい。
外の景色を眺めながら、のんびり入れるお風呂。
そんな家があったら幸せだろうなと思う。
でも、その夢は少し先の話だ。
だから今は、もっと現実的な目標を考えている。
例えば、次に賃貸へ住むなら、お風呂に窓がある家を選びたい。
それだけでも、きっと満足度は大きく変わる。
以前の私は、「理想が叶うまで我慢する」という考え方をしがちだった。
でも最近は、「今できる範囲で理想に近づく」ほうが、自分には合っている気がしている。
登山もそうだった。
いきなり北アルプスを目指すのではなく、低山を楽しみながら経験を積んでいる。
暮らしもきっと同じなのだ。
豊かさは、人それぞれ違う
会社員として長く働いていると、「成功」や「豊かさ」の基準が、いつの間にか誰かのものになってしまうことがある。
年収が上がること。
大きな家を買うこと。
いい車に乗ること。
もちろん、それを目標にする人もいる。
でも、私は違った。
私が心から惹かれるのは、昼間の光を感じながら、静かにお風呂へ入る時間だった。
人から見れば、とても地味な夢かもしれない。
けれど、その時間を思い浮かべるだけで心が穏やかになる。
それなら、それが私にとっての豊かさなのだと思う。
誰かと比べて決めるものではなく、自分の心が「これが幸せ」と感じるものを大切にしたい。
暮らしの理想が見えてきた
50歳で会社を辞めたいと思ったのは、仕事から逃げたいからではない。
もっと自分の時間を、自分の人生のために使いたいからだ。
最近、その時間をどう使いたいのかが、少しずつ具体的になってきた。
朝は少し早起きをして、コーヒーを飲む。
平日の空いている日に山へ登る。
本を読む。
そして、昼間の明るい光を感じながら、ゆっくりお風呂に入る。
どれも、お金がたくさんかかることではない。
けれど、忙しかった頃には手に入らなかった時間ばかりだ。
豊かな暮らしとは、豪華な家に住むことではないのかもしれない。
自分が「心地いい」と思える時間を、ちゃんと持てること。
今の私にとって、その象徴が「窓のあるお風呂」なのだ。
いつか、そのお風呂で景色を眺めながら、「あの頃、会社を辞める決断をしてよかったな」と、静かに思えたらいい。
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書いた人:夕凪 47歳。
50歳以降の生き方を考えながら、断捨離や旅、資産づくりの記録を残しています。



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